京楽春水の斬魄刀・花天狂骨の卍解。解放と同時に広い範囲に霊圧が放たれ、その霊圧にあてられた者は恐怖や戦慄から空が暗くなり、気温も低くなったような感覚に見舞われる。能力は数段に分かれており、最終的には発動者もろとも敵を脱出不能の深い水の中へと導く。
破面篇で現世に藍染惣右介率いる破面(アランカル)たちが攻め込んできた際、コヨーテ・スタークとの戦いで使用しようとしたが、その効果範囲の広さゆえ集団戦には不向きであるため浮竹に制止されている。千年血戦篇にて星十字騎士団(シュテルンリッター)の1人、リジェ・バロとの戦いで使用した。
雑誌掲載時の名称は「黒松心中(くろまつしんじゅう)」だったが、次の回で「枯松心中(かれまつしんじゅう)」に変更され、単行本で現在の呼称に修正されている。
一段目・躊躇疵分合(ためらいきずのわかちあい)
相手の体についた傷が分け合うように自分の体にも浮かび上がる。京楽いわく「残念なことに」その傷では決して死ぬことはできない。
作中では発動前に京楽が負わされていた傷が発動対象となったリジェ・バロにも浮かび上がった。
二段目・慚愧の褥(ざんきのしとね)
「相手に疵(きず)を負わせたことを悔いた男は慚愧(ざんき)の念から床に伏し癒えぬ病に罹ってしまう」。対象には多数の黒い斑点のようなものが浮かび上がる。
三段目・断魚淵(だんぎょのふち)
「覚悟を決めたものたちは互いの霊圧の尽きるまで湧き出る水に身を投げる」。文字通りどこからともなく湧き出た大量の水に対象が発動者もろとも飲み込まれ、互いの霊圧が尽きるまで脱出不可能となる。
〆の段・糸切鋏血染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)
「女の情は如何にも無残 あけたる男に貸す耳も無し いとし喉元光るのは 未練に濡れる糸白し せめてこの手で斬って捨てよう 無様に絡む 未練の糸を 此にて大詰 〆の段 “糸切鋏ち染喉(いときりばさみちぞめののどぶえ)”」。
未練を断ち切るかのように霊圧の糸で相手の喉を切り裂く。
相手とともに水中に身投げするまさに「心中」といった能力だが、〆の段でリジェ・バロに止めを刺したあと京楽自身は助かっている。もっとも能力の説明から察するに霊圧自体は大きく消費しているのかもしれないが。
攻撃力
3度目を見開き、滅却師完聖体と化したリジェ・バロの喉元を斬り裂いた。しかしこれでもリジェ・バロを倒すことはできず、怒り狂ったリジェ・バロは「神の使い」という4足歩行のアヒルのような白鳥のようなよくわからないものに変貌してしまう。
攻撃速度
段階を負って攻撃するため〆の段に移るまではそれなりの時間を要する。もっとも次々と新たな段階の能力を発動し畳み掛けるため、相手にかわしたり逃走したりする余裕はなさそうだ。
特殊能力
最終的には〆の段で直接的に攻撃するものの、それまでの段階はいずれも特殊な攻撃方法となっている。自らの傷を相手に分け与えるという点ではハッシュヴァルトの能力・世界調和(ザ・バランス)に近いものがある。
希少性
攻撃が順序だてられておりいる珍しい卍解。そのため能力を一言で言い表すことができないややこしい変わった卍解である。