伊勢家が代々受け継いできた、祭事に用いる刃のない剣。神と対峙し、神の力をその身に受け、八方へと振り撒く力があるとされている。伊勢七緒の母によって京楽の手に託され、七緒の手に渡らぬよう隠されていたが、神の使いとなったリジェ・バロとの戦いで七緒に渡された。
伊勢の呪い
伊勢家には記録にある限り女しか生まれておらず他の家から婿をとっていたが、伊勢家に入った男は皆伊勢の呪いで早世すると言われていた。七緒の母はその言い伝えを断ち切るため伊勢の血筋を絶やす覚悟で外に嫁いだが、結局は彼女の夫、京楽の兄もほどなくして亡くなってしまった。
その後七緒の母は京楽家から縁を切られて結局伊勢家に戻ることになった。伊勢家の女が伊勢の家からも伊勢の呪いからも逃れられないのは代々受け継いできたこの剣のせいなのかもしれないと考えた七緒の母は、七緒を呪いから外そうと京楽に剣を託し、京楽はその剣をお狂に隠させた。
七緒の手へ
伊勢家の家長は代々この斬魄刀を継承してきたため個人の斬魄刀を持たず、七緒もその例に漏れなかったが、リジェ・バロとの戦いで戦闘不能となった京楽の元へ駆けつけた七緒は伊勢の呪いの剣、神剣・八鏡剣を渡すよう京楽に求めた。
七緒の母との約束もあってためらった京楽だったが、「母が自分の意志で呪いを捨てると決めたように、私も自分の意志で呪いを受けると決めた」という言葉に説得され、七緒に手渡された。
神と対峙し神の力を反射する、という言い伝えの通り八鏡剣はリジェ・バロの神の力を反射し、その体をバラバラに四散させた。もっともバラバラになったリジェ・バロは光輪(ハイリゲンシャイン)こそ失ったものの、それぞれが怪鳥の姿を取り瀞霊廷を荒らし回ることとなってしまった。